正直申し上げまして、まだ商品としては産声を上げたばかりのような、『生命保険信託』 を考えてみます。
生命保険において、被保険者が死亡した場合、あらかじめ加入者が指定した、保険金受取人の方へ、保険会社から保険金が支払われます。
『生命保険信託』 の場合は、被保険者が死亡しますと、保険金の支払方法等について信託された、『受託者』の元へ支払われます。
現在の所、信託銀行がこの受託者となり、保険会社と信託銀行が協力して販売する生命保険となっています。
これ、どこに魅力があるのかと申しますと・・・。
例えば、親一人、子一人(複数でも同様)のような場合、働き盛りの一人親が死亡した時に、子供はまだ小さいこともあり、お金の管理ができない事もあるかもしれません。
あるいは、障害者のお子様のように、誰かがお金の管理をしてあげないと・・・というケースもあるかもしれません。
そのような場合、信託銀行に対して、自分が死んだ時の5000万円の保険金は、子供が成人になるまで、月々20万円を子供の口座に振込み、進学時は必要な学費を支払ってくれ!
そんな保険加入者の細かな指示を、実行してもらえるという魅力があります。
配偶者がいる場合でも、相続人が複数いる場合でも、いきなり大金を支払うと良くない・・・という考えをお持ちの場合は、この信託方式で、自分の考えた通りに少しずつ保険金を支払うように設定することができます。
ただ、注意しなければならないのは、例えば5000万円の保険金が支払われても、信託銀行に対する報酬を支払わなければならないので、最終的に相続人等の手に渡るお金は、多少は減額されることを覚悟しなければなりません。
この生命保険信託については、また後日、もう少し違った角度から考えてみたいと思います。