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遺言書は大事(一人親の財産が自宅だけの場合)

相続税が発生しない場合でも、『争続』 は発生します。

 

『争続』 というものは、相続税が発生する、発生しないに関係なく起こります。

いえ、ひょっとしたら相続税が発生しないケースの方が、多く争続が発生するかもしれません。

何故なら、相続税を実際に納税する対象者は、統計上、相続発生の総数に対して、数%にしか過ぎないからです。

90%以上の相続人は、相続税が発生しない相続財産を、どのように配分するかについて、協議することになります。

 

揉める原因は、相続財産が不動産しかないというところにあります。

不動産は、正直、分け辛いものです。

1つの土地を、半分にしたり、1/3ずつに切ったりして、切られたすべての土地が、利用するに十分な広さ・地型になるケースは希でして、どうしても配分するならば、これを売却してお金に換えて、そして

配分するしかありません。

 

お父様は既に他界し、お母様だけが住んでいる家、そしてお母様が他界された。

このような場合、その子供たちの生活状況によって、配分方法に揉めることがあります。

 

すべてのお子様たちが、順風満帆に独立していて、その家が不要であるならば、売却してお金で配分することに異議は発生しません。

しかし、お子様の一人が母親と一緒に住んでいた場合、そのお子様は

①家のすべての権利を相続させてもらうか、

②家の売却に同意して転居するか、

このどちらかの状況に陥ることになります。

ここに揉め事が発生する原因があります。

 

このような場合に、揉めるか揉めないかは、母親の遺志・遺思が残されているかどうかで大きく違います。

母親が、家の権利はすべて同居してくれている子供へ、と生前に遺言書を作成しておくこともできた訳ですし、売却して仲良く分けてね、という内容にすることだってできた訳です。

厳しい申し上げ方ですが、揉める原因を母親が無くしておかなければいけないと思います。

 

ただ、法定遺留分というものもあります。

すべての財産を3人の子供のうち、同居した1人に与える遺言書を作成した場合でも、他の子供たちは、それぞれ1/6ずつの権利は主張できます。

同居していない2人の子供が、遺留分を主張してきた場合、同居した子供の選択肢は大きく2つあります。

 

①家を売却して、他の2人の子供に1/6ずつをお金で配分する。

結果、同居した子供は、4/6の財産を確保できます。

②代償分割により、同居の子供は家を確保したまま、1/6相当の

お金を他の2人の子供に支払う。(分割支払も可能)

 

遺留分を請求された場合、子供間での多少の感情のもつれは発生するかもしれません。

ただ、母親の同居した子供に対する思いは、4/6は実現できます。

 

その意味でも、やはり『遺言書』の作成は重要なのです。