『相続』という言葉の響きから、『争続』という言葉を連想される方も多いのではないでしょうか?
他人から見ますと、『何をそんなに争っているんだろうかね?』などと思ってしまいがちですが、実際に相続が発生しますと、大なり小なり、色々と揉め事が発生することが多いものです。
長年お付き合いしている方から、『俺達兄弟姉妹は、本当に仲が良いから、曽根さんが心配するような揉め事は起きないので、そんなに心配しなくてイイよ。』と言われておりましたが、結果的に相続協議が纏まったのは、10年後でした。
私の祖父の相続など、親の世代には解決されず、結果、私を含む孫の世代で解決しましたので、約30年かかっています。
どうしてこんな事になってしまうのでしょうか?
バカバカしい回答かもしれませんが、その理由は、『相続協議の場に、故人(被相続人)が出席できないから』です。
もし故人が協議に出席できているのならば、恐らく、故人の考えに従って、協議は進められていくはずです。
大切なのは、故人の思う配分の方法、故人の意思、これは故人の『遺志』・『遺思』です。
従いまして、揉めない相続というのは、『遺言書』作成が一番です。
中途半端の『遺言書』は、返って揉め事を増やす恐れがありますので、ここは専門家の指導に従って戴くか、公証役場で作成して戴くか、しっかりとした遺言書を残して戴ければと思います。
ところで、遺言書の作成ですが、一人でこっそりと作成するというイメージが強いですが、これ、どうなんでしょうか?
私が思うには、遺言書を作成する前に、お正月とかの時期にでも、予定相続人を集めて、『私はこんな風に遺言書を書く予定だ!』と言って、関係者に自分の思いを伝えることだって、良い事だと思うのですが、如何でしょうか?
かなり勇気を必要とする作業ですが、自分の意思を生で伝える事も、揉めない相続にする為には、大変有効であると思います。
ただ、人間はいつ天国へ召されるかはわかりません。
私は現在50歳ですが、この年で親族集めて相続の話をするには、ちょっとタイミングが早すぎるかなぁ・・とも思いますし、では60になったら・・、70になったら・・・、と考えてみますと、そのタイミングは難しいですね。
いずれにしましても、でき得ることであれば、なるべく遺言書を残して戴くことを、まずはお願い致します。